つぎはぎアンドロイドと俺の七日間・7

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 六日目。
 目が覚めたら昼過ぎだった。のそのそと台所に行って冷蔵庫と冷凍庫の中を物色したら、一膳分ずつきっちりラップに包まれた冷凍ご飯と、切り干し大根の煮物がタッパーを見つけた。
 アサヒのあのオカンっぷりは一体なんだったんだろう、どこのハウスメイドロボもそうなんだろうかと思いながら、ご飯を解凍して、お茶漬けにして食べた。
 誰も居ない向かいの席が寂しい――けど、オヤジが帰ってくるのは明日だ。あと一日の辛抱だ。
――たとえそれが新しい恋人を見つけたオヤジであっても。
 外は今日も暑く雲一つない晴天だったが、昨日俺が目覚める前にアサヒが三日分洗濯機を回していた。一人分の洗濯物の量などたかが知れていて、今日はいいかと脱衣所の扉を閉める。掃除も、昨日一日ほとんど居なかったから、必要を感じない。
 相変わらずやることが見つからず、俺はパソコンの前に座った。自虐的に一人暮らし向けの物件を眺めたり、綾音さんの家で見たRNH型カッコよかったなとスワン社のサイトを眺めたりしたが、どれも飽きてベッドに寝転ぶ。
 携帯はずっと電源を切ったままだ。オヤジからの電話が怖かった。
 小さな自分が、恨みがましい目で俺を睨む。こんなことなら言ってしまえばよかったんだと思ってしまう。
 駄目だそれは。認められない。
 俺がオヤジを好きなんて、許されない。
 なら結末は、アサヒと一緒じゃないか。


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